「ムジカノーヴァ」 2010年2月号
雨宮 さくら


      2009年10月31日に 旧古河庭園・洋館 で開催された
             ウィーン ロマン派の萌し
         −フォルテピアノがいざなう 未知なる世界への物語−
          平井千絵 フォルテピアノ リサイタル の演奏会評です。
 なお、執筆者の敬称などは省略させていただきます。ご了承下さい。

        【演奏曲目】 
ハイドン :
幻想曲(カプリッチョ) ハ長調
ベートーヴェン :
創作主題による6つの変奏曲 ヘ長調 作品34
モーツァルト :
幻想曲 ハ短調 K.475
ベートーヴェン :
「プロメテウスの創造物」の主題による15の変奏曲とフーガ (エロイカ変奏曲) 作品35
モーツァルト :
ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調(トルコ行進曲付き) K.331
 

  北とぴあ国際音楽祭2009参加
  平井千絵
  フォルテピアノ リサイタル

 桐朋学園大学ピアノ科とオランダのデン・ハーグ王立音楽院古楽器科(フォルテピアノ)を卒業。国内外の国際コンクールで華々しい成績を収め、ヨーロッパ各地の音楽祭に招かれる他、欧州と日本で、ソロやアンサンブル活動を精力的に繰り広げている、オランダ在住の平井千絵を聴く。

 『ウィーン ロマン派の萌し〜フォルテピアノがいざなう未知なる世界への物語』 と題された、北とぴあ国際音楽祭2009年参加公演。 使用楽器は、ウィーン工房で A・ワルターが1785年に作ったものをモデルとして、オランダ人ヘラート・タウンマンが2003年に作ったコピー楽器のフォルテピアノ。 会場は、鹿鳴館を建築したコンドルによる歴史的建物の旧・古河庭園の洋館。庭にはバラの花が咲き乱れる。

 前半の、ハイドンとモーツァルトの幻想曲、ベートーヴェンOp.34の変奏曲のいずれもが、細部まで集中力の持続した、かつ思い切りの良い生き生きした演奏だった。 前半ラストのモーツァルトのトルコマーチ付きのソナタと後半のベートーヴェンの 《エロイカ変奏曲》 では、会場の窓から差し込む日の光が、楽器に微妙な影響を与えていた様子だったが、前向きに攻めの主張を貫いて、聴衆を楽しませた。

 素晴らしい才覚と才能に恵まれた人である。
 加えて、溢れんばかりのホスピタリティー精神。
 素敵な演奏会であった。
(雨宮 さくら)      

            (10月31日 旧古河庭園・洋館)

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