「ショパン」 2009年2月号
青澤 唯夫


      2008年11月14日に めぐろパーシモンホール 小ホールで開催された
             「ウイーンのピアノに魅せられた作曲家達 Vol.3」
                       【舞踏への勧誘】 
          平井千絵 フォルテピアノ リサイタル Vol.3 の演奏会評です。
 なお、執筆者の敬称などは省略させていただきます。ご了承下さい。

        【演奏曲目】 
マリア・シマノフスカ (1789-1831) :
24のマズルカより 20番、1番、2番、12番、23番、
モーツァルト(1756-91) :
クラヴィーア組曲 ハ長調 K.399
対位法の大家の葬送行進曲 K453a Lento
ちいさなジーグ ト長調 K.574 Allegro
ウィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784):
12のポロネーズ(F12)より 4番 ニ短調  8番 変ホ短調
J.W.ヘスラー(1747-1822):
グランド・ジーグ Op.31 Allegro Assai
シューベルト(1797-1828) :
12のレントラー D.790
ショパン (1810-49) :
マズルカ風ロンド Op.5 Vivace
ファニー・メンデルスゾーン = ヘンゼル (1805-1847) :
ローマのサルタレロ Op.6−4 Allegro molto
ウェーバー(1786-1826) :
舞踏への誘惑 Op.65
 

  作品本来の すばらしさを引き出す
  平井千絵
  フォルテピアノ リサイタル

 「ウイーンのピアノに魅せられた作曲家たち」シリーズの第3回。
フォルテピアノの音色に「人間くさい温度を感じた」という平井千絵が、踊りという表現方法に音楽の魅力を追求したトーク付きのコンサート。彼女が所有するM.ローゼンベルガー製作の1825年ごろのウィーンの楽器が使われた。

 最初がシマノフスカのマズルカ5曲。明るい快活な響きで、楽器に備わる鳴りもの(ドラムベル)をペダルで操作したり、シリアスな演奏に転じたり、巧いものだ。
 モーツァルトが旧いスタイルで作曲した組曲K399、『対位法の大家の葬送行進曲』K453a、アイネクライネ・ジーグK574は、厳粛で深刻な表現。
 フリーデマン・バッハのポロネーズは過激。 J.W.ヘスラーのグランド・ジーグでは多彩な名技を披露した。 
シューベルトのレントラーD790は、軽やかさ、憂い、激しい走句、と音色を変えながら思い切りよく弾き上げた。

 ショパンの『マズルカ風ロンド』は、秘められた深い思いを訴えかけるような名演。
ファニー・メンデルスゾーンの『ローマのサルタレロ』は達者な指づかいが見事。

 演奏会のタイトルとなったウェーバーの『舞踏への勧誘』の優美な表現で余情ゆたかに終わったが、めずらしい作品を大昔の貴重な楽器で楽しく聴かせたすばらしい夕べであった。
(青澤 唯夫)      


            (11月14日・めぐろパーシモンホール 小ホール)

このページの先頭へ